APR vs. APY 暗号資産:どちらが高い?

2025-06-11初心者トレーディング
2025-06-11
初心者トレーディング
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暗号資産の貯蓄口座やDeFiレンディング、ステーキングに関心を持つと、APYやAPRという用語を頻繁に目にするようになります。一見すると同じ意味のように思えますが、実際には異なります。APYとAPRの違いを理解すれば、より賢明な投資判断につながり、暗号資産から得られる収益を最大化できます。

本ガイドでは、暗号資産におけるAPYとAPRの基本を解説し、それぞれの仕組みや使い分けのポイントについて詳しくご紹介します。


APRとは(Annual Percentage Rate:年率換算利回り)

APRとは、複利効果を考慮せずに、1年間で得られる(または支払う)単純利回りを表す指標です。

暗号資産におけるAPRの代表的な利用例は以下の通りです:

  • 暗号資産レンディング(例:AaveでのUSDC供給)
  • 暗号資産クレジットカード
  • 固定利率型のステーキングプール

例:あるプラットフォームで10%APRと提示された場合、報酬を再投資しなければ単純に年率10%のリターンが得られます。

APRの特徴

  • 複利は含まれない
  • 借入コストや単純利回りの比較に有効
  • 計算が簡単
  • 実際の収益を過小評価する可能性がある

 

APYとは(Annual Percentage Yield:年率換算複利利回り)

APYは複利効果を含む実質的な年利を表し、報酬を再投資することを前提とした指標です。

暗号資産におけるAPYの代表的な利用例は以下の通りです:

  • DeFiステーキング
  • イールドファーミング
  • 利息付暗号資産ウォレット

例:10%APYの利回りが提示され、報酬が毎週または毎日複利で再投資される場合、実際の利回りは10%を上回ります。

APYの特徴

  • 複利を含む
  • 再投資する場合の実際の収益を反映
  • 同じ基準利率でもAPRより高くなる
  • DeFiやステーキングで一般的に使用

 

言い換えれば、APY(年間利回り)は投資の実質的な年利、つまり実質利回りを示すものであり、投資収益をより正確に把握することができます。

例えば、1,000ドルを投資し、APR(年率)5%の商品で利息が月ごとに複利計算されると、1年後には1,051.16ドルとなります。この場合のAPYは約5.116%です。実際には約1,051.16ドルとなり、この場合のAPYは5.1162%となります。

一見すると5.0%よりわずかに高い程度ですが、投資期間を延長したり、元本を増やしたりすると、このわずかな差が大きな収益の違いにつながることになります。

 

APYとAPRの比較

 

項目 APR APY
複利 含まない 含む
主な用途 借入、固定ステーキング ステーキング、DeFi、運用商品
実際の利回り反映 不十分 反映される
暗号資産例 Aaveでの貸付 Lidoでのステーキング、Yearnでのファーミング
 
 

APRとAPYの最大の違いは、複利を考慮するかどうかにあります。

例えば、2つの暗号資産プラットフォームを比較した場合、APRが10%と表示される商品と、APYが10%と表示される商品があれば、時間の経過とともにAPYの方が高いリターンになります。特に複利計算の頻度が短い(例:毎日や毎週)ほど、その差は大きくなります。

以下の表では、複利の頻度がどのようにAPYを押し上げるかを示しています。

複利計算の頻度 APY(年間利回り)
年1回 5%
半年ごと 5.06%
四半期ごと 5.12%
月ごと 5.12%
日ごと 5.126%
 

 

暗号資産におけるAPYとAPRの使い分け

APY(年間利回り)とAPR(単純年利)のどちらを使うべきかは、暗号資産を借入するのか、運用するのか、そして複利が関係しているかどうかによって決まります。

APRを使う場合

  • 暗号資産の借入時(例:Aaveでのローン利用)
  • 基本利率の比較
  • 複利計算されない報酬の評価

APYを使う場合

  • ステーキング、イールドファーミング、DeFiボールトの利回り評価
  • 報酬を再投資する場合
  • プラットフォーム間の複利効果を比較する場合

 

APYとAPRの計算方法

APRとAPYの違いを理解した上で、どの暗号資産商品がより有利な投資となるかを判断できます。基本的なポイントは以下の通りです:

1. APRとAPYの両方が表示されている場合、比較の際には両方をAPYに換算し、同じ条件下で比較する必要があります

2. 同じAPRの商品でも、利息の複利頻度(日次・週次・月次・年次)を確認する必要があります。複利計算の頻度が高いほど、実質利回りは高くなります。

そのため、多くの暗号資産プラットフォームでは「日次複利」と明記して、より魅力的な利回りをアピールすることがあります。

3. APRをAPYに換算する無料オンラインツールも多く存在します。調査対象プラットフォームの複利頻度を入力するだけで簡単に換算可能です。

 

暗号資産での利用例:レンディング、ステーキング、イールドファーミング

 

1. 暗号資産レンディング(例:Aave、Compound)

  • 貸し手はAPRを受け取る
  • 借り手はAPRを支払う
  • 自動複利は基本的にありません(再投資する場合を除く)

 

2. ステーキング(例:Ethereum on Lido、Solana)

  • 利回りはAPY表示
  • 複利計算の頻度はプロトコルによって異なる

3. イールドファーミング(例:Curve、SushiSwap、Yearn)

  • 報酬はAPYで表示(再投資を前提)
  • 日次・週次複利による利回り上乗せに注意

 

よくある質問(FAQ)

 

APRが高い方が常に良いですか?
必ずしもそうではありません。APRがやや低くても、複利計算の頻度が高く(APYで表示され)再投資される場合、実質利回りは高くなることがあります。

 

なぜAPYはAPRより高くなるのですか?
APYは複利の効果を含むため、年に複数回利息が支払われる場合、APRより自然に高くなります。

 

DeFiでは常にAPY表示のプラットフォームを選ぶべきですか?
報酬を自動または頻繁に複利で再投資する場合、APYはより現実的な利回りを示します。ただし、ガス代やインパーマネントロス(一時的損失)も考慮する必要があります。

 

総括:APYとAPR、どちらが重要か?

暗号資産投資において、APYとAPRはいずれも重要な指標ですが、用途が異なります。

  • APR:ローンや固定ステーキングの基本利率比較に有効
  • APY:複利を考慮した実質利回りを正確に把握するのに有効

プロのアドバイス:暗号資産を投資・運用する前に、表示されている利率がAPRかAPYかを必ず確認してください。特にボラティリティが高いDeFi環境や高利回り商品の場合、利回りに大きな差が生じる可能性があります。

 

その他考慮すべき点

APYが高い商品を選ぶだけでは不十分です。以下の要素も最終的な利回りに影響します:

  • 手数料:商品によっては手数料が発生し、APYが高くても最終的な利回りが低下することがあります。

リスク:暗号資産投資は商品によってリスクレベルが異なります。高APYを提示する新規アルトコインは、誇大広告やラグプル(開発者による資金持ち逃げ)のリスクが高い場合があります。