暗号資産市場にはさまざまな取引スタイルがありますが、その中でもスイングトレードは初心者から支持されやすい手法です。スイングトレードは、暗号資産の価格変動を数日から数週間の比較的短期的なスパンで捉え、相場のボラティリティを活用して利益を狙う取引戦略です。本ガイドでは、暗号資産市場におけるスイングトレードの基本、代表的な手法、初心者が押さえるべきリスク管理のポイントを解説します。
スイングトレードとは
スイングトレードとは、暗号資産などの金融資産の短期から中期の価格変動を狙う取引戦略です。デイトレードのように1日のうちに売買を完結させるのではなく、数日から数週間ポジションを保有し、その間の価格変動から利益を得ることを目的とします。
スイングトレードのメリット
- 取引回数が少なく精神的負担が軽い:デイトレードに比べ売買回数が少ないため、常時相場を監視する必要がなく心理的な負担が抑えられます。
- 時間的柔軟性:本業や学業と両立しやすく、副業的に取引したい投資家にも適しています。
- 上昇・下落双方から利益を狙える可能性:相場の値動きを利用するため、上昇局面でも下落局面でも収益機会が生まれます。
この点をさらに詳しく説明すると、暗号資産のスイングトレーダーにとって重要な課題のひとつは、「市場のタイミングを狙うか」それとも「市場に滞在する時間を重視するか」です。
- 市場のタイミングを狙う(Timing the Market)
短期的な価格変動を予測し、最も有利なタイミングで売買を行う戦略です。短期間で利益を得られる可能性はありますが、その分リスクも高く、市場の動きを常時監視する必要があります。
- 市場に滞在する時間を重視する(Time in the Market)
ポジションを長期間保有し、暗号資産全体の上昇トレンドの恩恵を受ける戦略です。この手法は「買って保有する(Buy and Hold)」戦略、いわゆるHODLに近いアプローチです。
スイングトレードは、この両者のバランスを取ることが可能です。広いトレンドの中で価格変動を捉えながら利益を狙うことで、市場の急落に巻き込まれるリスクを軽減できます。
スイングトレード vs. HODL vs. デイトレード
では、スイングトレードは他の取引手法、特にHODLやデイトレードと比べてどのように異なるのでしょうか。
スイングトレード vs. HODL
スイングトレードとHODLは、暗号資産に対する投資アプローチが大きく異なります。
- スイングトレード
前述の通り、スイングトレードは短期~中期の価格変動を捉えて利益を狙う戦略です。トレーダーはポートフォリオを積極的に管理し、一定期間内に安く買い、高く売ることを目標とします。この戦略により、市場に積極的に参加しつつ、上昇相場・下降相場の双方で利益を狙うことが可能です。
- HODL
HODLは長期投資戦略で、「死守するように保有する」という考え方に基づきます。HODL投資家は短期的な価格変動に左右されず、暗号資産を数年間にわたって保有することで、資産価値の上昇を期待します。この戦略には忍耐力と、保有資産の長期的な成長可能性に対する確固たる信念が求められます。
スイングトレード vs. デイトレード
スイングトレードとデイトレードはどちらもアクティブな取引手法ですが、取引期間と戦略の点で大きく異なります。
- スイングトレード
数日~数週間の期間で価格変動を捉え、利益を狙います。トレーダーは通常、テクニカル分析を活用して最適な売買タイミングを判断し、短期~中期トレンドを活かします。デイトレードと比べて取引頻度が低く、精神的・時間的負担を抑えられます。
- デイトレード
デイトレードは非常にアクティブな戦略で、同じ取引日内に資産を売買し、短期間で複数回の取引を行います。トレーダーはテクニカル分析、日内チャートパターン、ニュースなどを活用して迅速に判断を下します。取引ペースが速く、短期間で大きな利益や損失が発生する可能性があるため、常時市場に注意を払い、精神的負荷も高い戦略です。
暗号資産におけるデイトレードとは?
スイングトレードの代表的な戦略
スイングトレーダーの基本はテクニカル分析(TA)です。過去の価格データやチャートパターン、各種指標を用いて、エントリー条件・エグジット条件を判断します。利益確定や損切りの価格設定、リスク・リワード比の管理などが含まれます。
代表的な6つのスイングトレード戦略は以下の通りです。
- 平均回帰(Mean Reversion)
価格が最近下落した資産を購入し、上昇した資産を売却する戦略です。資産価格は最終的に平均値に戻ると仮定します。使用指標例:ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)、RSI、MACD
- 移動平均線(Moving Averages)
移動平均線を用いて市場の加熱度や割安度を判断する戦略です。価格が移動平均線を上抜けした場合に買い、下抜けした場合に売りを行います。
- トレンドフォロー(Trend Following)
上昇トレンドの資産を購入し、下降トレンドの資産を売却する戦略です。トレンドはしばらく同じ方向に継続すると仮定します。
- 逆張り(Contrarian Trading)
トレンドフォロー戦略とは反対に、価格の反転を狙う戦略です。資産が売られ過ぎの際に買い、買われ過ぎの際に売ることで反転利益を狙います。
- レンジトレード(Range Trading)
サポートライン付近で購入し、レジスタンスライン付近で売却する戦略です。ボリンジャーバンドや平均方向性指数(ADX)などを用いて、資産がレンジ内で推移していることを確認します。
- ブレイクアウト(Breakout Trading)
重要なサポート・レジスタンスラインを基準に、価格が突破したタイミングで取引を行う戦略です。新しいトレンドの始まりを捉えることを目的とします。
スイングトレードにおけるリスク管理
スイングトレードで長期的に成功するためには、効果的なリスク管理が不可欠です。特に初心者の場合、まずは資本を守ることに重点を置き、短期間での利益追求は避けることが重要です。以下は基本的なリスク管理のポイントです。
- プロジェクトのファンダメンタル分析
スイングトレードは短期~中期の値動きに焦点を当てますが、取引する暗号資産のファンダメンタルズを軽視してはいけません。プロジェクトの技術、ユースケース、チーム、コミュニティの支援状況などを理解することで、より適切な取引判断が可能になります。ファンダメンタル分析は、将来的に有望な資産を見極め、長期的な成長性の低い資産を避ける基盤となります。
- ポジションサイズ管理
1回の取引で、事前に設定した資本の割合以上をリスクにさらさないことが重要です。一般的には、1~2%を上限とするルールが推奨されます。
- リスクリワード比の設定
各取引で有利なリスク・リワード比を目指します。例として、損切りを2%に設定した場合、目標利益は最低でも4%以上に設定します。
- 忍耐力の重要性
すべての取引が利益を生むわけではありません。損失を受け入れ、学びの経験とする姿勢が求められます。
- バックテストの活用
過去の価格データで戦略を検証し、効果を評価します。これにより、自身の取引手法を精緻化できます。
- ストップロス注文の設定
各取引で許容できる最大損失を事前に決め、ストップロス注文を設定することで損失を制限できます。
- ポートフォリオの分散
特定の暗号資産への過度な集中を避け、リスク分散を図ります。
- 取引計画の策定
最後に、取引計画(トレーディングプラン)を作成することで、自身の感情に振り回されず冷静に取引が行えます。計画には、取引目標、リスク許容度、エントリー・エグジット条件、ポジションサイズなどを明確に定め、行動指針として活用します。
結論
スイングトレードは、初心者の暗号資産トレーダーにとって魅力的な戦略であり、価格変動を活用しつつ、デイトレードに伴うストレスを抑えることができます。成功には、知識の習得・規律・リスク管理・明確な取引計画が不可欠です。これらの原則を遵守し、継続的にスキルを磨くことで、スイングトレードでの利益獲得の可能性を高めることができます。